先日、税務署に相談に行ってきました。
昨年自宅マンションを売って、新たにマンションを購入したので、今年は確定申告をしないといけません。
マンションの売却益が出たとき、「3000万円特別控除の特例」と「住宅ローン控除」、どちらを選ぶか迷いますよね。
それに、納税はないと思っていたのに、どちらを選んでも納税金額がばっちり出てきてしまったので、計算ちがいの可能性を込めて初めて税務署に行ってきました。
税務署に行った時の様子は、LINEで予約【確定申告2021】税務署相談行ってきました!ドキドキ初めて体験記で詳しくお話しています。
この記事は、税務署で教えてもらったこと、自分なりに調べまくったことを整理するためにまとめたものです。(兼覚え書き)。
税の知識が無さ過ぎてはずかしいアラフィフ(-_-;)
もくじ
税務署で相談した所得税にかんする疑問
今回税務署で聞いてきた相談内容はこちら、
- 3000万円特別控除の特例を使った場合は税金は0円のはず。申告納税8万円となったが、計算を間違えている?
- 3000万円特別控除の特例と住宅ローン減税、結局どっちを使えばおトクなのか
- 住宅ローン控除は10年で最大200万円だが、年末残高が2000万円より少なくなると、控除額も減ってしまうのか
- 添付書類に領収書のコピーなどの記載がないが、必要ないのか
以上4点です。
基本情報として、以下を前提にしています。
- 2021年初めて確定申告をする会社員
- 2020年自宅中古マンションを売却
- 2020年新しくマンションを購入
- 「3000万円特別控除の特例」と「住宅ローン控除」の条件は満たしている
3000万円特別控除の特例を使えば税金0円のはずなのに申告納税8万円って計算間違えてない?
結論 : いいえ、間違えていません。
税務署の回答 : 給与所得と譲渡所得を合わせると所得が1000万円を超えるからです。
3000万円特別控除の特例を使っても、税金0円にならない場合があるんですって。
でも、3000万円特別控除の特例を使うと、税金は0円!!のはず・・・
ではなぜ、わが家は約8万円もの税金を納める必要があるのか?
3000万円特別控除の特例を使った場合でも税金が発生するワケ
それは、確定申告で、給与所得と譲渡所得を合わせた結果、納税額が足りなくなるからです。
税務署の職員が、さらっと教えてくれたのが、
「合計所得金額が1000万円を超えると、配偶者(特別)控除がなくなる(=0円)」
ということ。
年末に勤務先からもらってくる源泉徴収票の「配偶者(特別)控除の額」の欄には、380,000円と記載があるので、年末にはしっかり控除されていました。
しかし、譲渡所得が発生したので、所得の合計が1000万円を超えてしまい、「配偶者(特別)控除の額」が0円になるのです。
会社員の場合、源泉徴収票は給与にかんする計算が記載されています。
土地や建物を売った時の所得は、会社では計算してくれないので、自分でやるしかない。
そのため、1年間全ての所得(給与所得や譲渡所得など所得は全部)を合わせて、所得を計算しなおして正確な納税額を出すための確定申告をします。
その結果、源泉徴収票に記載された(すでに引かれた)源泉徴収税額に加えて、さらに税金が発生することはふつうにあり得ることなんですね。
さらに発生した税金が約8万円ということです。
わたしは、「所得を合わせる」「所得が1000万円超えると配偶者(特別)控除がなくなる」ということを知らず、
給与所得からはもう税金引かれてるし、あとはマンションを売った譲渡所得の分の税金を払えばいいんでしょ。でも3000万円特別控除の特例を使えば、税金は払わなくていいんだよね\(^o^)/
と思っていました。
これまで主人の所得が1000万円超えることなかったし(^-^;
それと、譲渡所得は「分離課税」なのですが、「分離課税」の「分離」ということばの意味をかんちがいしていました。別々に税金を納めるというだと思っていたもので(^-^;
インターネット上では、税理士や不動産業者などが、3000万円の特別控除の特例を使うと、「超高級マンションを売却しない限りは税金はかからない!」「譲渡所得が3000万円に満たないときは税額は0円」とかいていますが、「3000万円の特別控除の特例を使ったとしても、所得を合計すると税金が発生することがあるかもよ」とかいてある記事を見つけることはできませんでした。
それらの記事は、3000万円の特別控除の特例を使うと、譲渡所得に対する「税」は、かからないよと言っていたんですね。
3000万円の特別控除の特例を使う前提で作成してみた確定申告書の第三表でも、たしかに譲渡所得の欄は「0」になっています。
確定申告書と源泉徴収票はかんれんしまくりなので、源泉徴収票の解読が必須です。確定申告書の作成前に源泉徴収票の見方をかるくおさらい
譲渡所得がある場合の所得税が決定するまでのながれ
わたしは所得税が決定する順序を知らなかったので、売却益があっても特例を使えば税金はないと思いこんでいました。わが家の場合ですが、いちど所得税が決定されるまでのながれを整理したいと思います。
- マンションを売却した
- 売却益が出た
- 譲渡所得がある
- 3000万円特別控除の特例を使う
- 譲渡所得税は0円
- 給与所得と譲渡所得を合計する
- 合計した結果、所得が1000万円超える
- 配偶者(特別)控除がなくなる
- 所得から差し引かれる控除が減る
- 課税される所得が増える
- 所得に対する税金(所得税)が増える
- すでに収めた源泉徴収税額では足りない
- 不足分の所得税納税義務が発生する
給与所得などの「総合課税」と、譲渡所得などの総合課税と一緒だと税金が高額になってしまうので別々に計算する「分離課税」があるので、それぞれ別々に所得を出し、それぞれ別々に税額を計算し、税額を合算し、(今年は復興特別所得税を計算し加えて)、すでに引かれている源泉徴収税額を引き、やっと申告納税額が出ます。
知らなかったよー(;´Д`)
3000万円特別控除の特例と住宅ローン控除、結局どっちを使えばおトクなのか
結論 : 住宅ローン控除です
税務署の回答 : 長い目で見れば住宅ローン控除のほうが戻ってくる金額は大きい
「3000万円特別控除の特例」VS「住宅ローン控除」納税の総支払額
〇「3000万円特別控除の特例」の場合
特例を使いますが、わが家の場合上記のとおり、税金は発生します。
もちろん所得によっては、税金が発生しないことがあります。家庭によってちがってきます。
支払う所得税は約8万円なので
約8万円マイナス。
〇「住宅ローン控除」の場合
譲渡所得で不足した分の所得税を確定申告して先に払います。
その後10年かけて住宅ローン控除の分が還付されます。
住宅ローン控除がMAXの200万円の場合
控除で還付される金額の合計が10年で200万ありますが、所得税と住民税の分を引いて考えます。
200万円ー(所得税+住民税)=還付(控除)の合計額
所得税が80万円、住民税が30万円だとすると、
住宅ローン控除10年分200万円ー(所得税80万円+住民税30万円)=還付(住宅ローン控除の残)90万円
90万円おトク。
「3000万円特別控除の特例」VS「住宅ローン控除」の勝者は
上の「住宅ローン減税」の例をそのまま使うとすると、
「3000万円特別控除の特例」を使った場合は、約8万円のマイナス。
「住宅ローン控除」を使った場合は、90万円プラス。
よって、「住宅ローン控除」を使ったほうがおトク。
ただし、10年は長いので途中で何があるかわかりません。200万円のMAX還付されないことがあるかも。。。
住宅ローン控除は10年で最大200万円だが、年末残高が2000万円より少なくなると、控除額も減ってしまうのか
結論 : 減る
税務署の回答 : 住宅ローンの年末残高が1%を切れば、減る
返済していくうちに、住宅ローンの年末残高も減っていき、控除のMAXをキープできないことがあります。金利にもよりますが、一生懸命繰り上げ返済をしたのに、控除が少なくなってしまったってこともありえます。
また、その年に支払った税額以上に控除されることはないので、年20万円の控除が可能であっても、納税金額が年18万円の人の住宅ローン控除のMAXは年18万円です。
まるまる控除の恩恵に預かりたい場合は、年末残高2000万円以上、納税額は年20万円以上死守しないとですね(^-^;
添付書類に領収書のコピーなどの記載がないが、必要ないのか
結論 : 必要ない
税務署の回答 : 法的には義務付けられていない
仲介手数料や、登記費用、リフォーム代などの領収書のコピーの添付は必要ないとのことです。
譲渡所得の申告のサイトをあれこれ見ると、必要書類に「領収書のコピー」との記載があるので、少し不安。。。
なので、チャットボット(ふたば)※ に聞いてみました。
すると、
必要書類は次のとおりです。
①住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
②住宅の登記事項証明書
③住宅の売買契約書の写し
と回答がきました。
領収書のコピーの記載はありませんでしたが、計算違いなどがあった場合後で提出するように言われないとも限らないので、処分せず保管しておくことにします。
※ チャットボット(ふたば)とは
所得税の確定申告に関しての疑問を、自動で回答してくれるAI(人工知能)です。選択肢に沿って進んでいくだけです。24時間、パソコン、スマホ、タブレットから利用できます。わたしも夜11時に質問しましたが、その場ですぐに答えてくれましたよ。
国税庁のチャットボット(ふたば)に質問する
譲渡所得の確定申告で必要な書類
確定申告書類を【郵送】で提出するさいに必要な書類をまとめてみました。
〇本人確認書類(写し)
- マイナンバーカードありの場合→マイナンバーカードのみ
- マイナンバーカードなしの場合→通知カードor住民票など+身分確認書類(運転免許証など)
〇確定申告書B→確定申告書等作成コーナーor税務署
- 第一表
- 第二表
- 第三表
〇3000万円の特別控除の特例を受ける場合
- 譲渡所得の内訳書→確定申告書等作成コーナーor税務署
- 契約締結の前日に、住民票に記載されていた住所と売却資産の所在地がちがっている場合は、戸籍の附表の写し→本籍のある役所
〇住宅ローン控除を受ける場合
- 譲渡所得の内訳書→確定申告書等作成コーナーor税務署
- (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書→確定申告書等作成コーナーor税務署
- 住宅取得資金に係る借入金の年末残高都等証明書(原本)→ローンの借入先の銀行など
- 売買契約書(写し)→不動産業者
- 登記事項証明書(原本)→法務局
※平成31年4月1日以降の申告書の提出のさい、給与所得の源泉徴収票の添付の必要はなくなりました。
まとめ
以上の記事は、税務署で聞いてきた相談内容と回答に、わたしなりに調べた情報も加えたものです。
納税額の決まり方は個々にちがうので、わが家と同じような例を探すのにとても苦労しました。ですが、いつもは源泉徴収されて税金にかんする関心や知識がほとんどなかったので、今回はよい勉強になりました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。